ブランディングとは?目的や効果、有名企業の事例を分かりやすく解説!

最近ビジネスシーンでよく聞く「ブランディング」という言葉ですが、「ブランディングは大企業の戦略だからウチには関係ない」と考えている人も多いのではないでしょうか。
しかしブランディングは事業規模問わず企業にとって必要な事業戦略と言えます。
そこで今回はブランディングの定義や必要性、成功させるポイントなどを詳しく解説していきます。
目次
ブランディングとは
ブランディングとは、ブランド(商品やサービス)をお客様のニーズに沿って、商品の認知度を高め、好感を持ってもらうために行うマーケティング活動のことを指します。
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価値は目に見えないからこそ、言葉で定義することが重要です。
特に日本人は職人気質で「良い物を作っていれば、いつかは分かってもらえるはず!」と思っている方が多です。
しかし、それがどんなに良い物であったとしても、相手にそういう認識をしてもらえなければ価値(ブランド)にはなりません。
つまりブランディングとは相手の心の中でどう思ってもらえているかが最も重要であると言えます。
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ブランディングを行う目的
続いては、企業がブランディングを行う目的について解説してきます。
具体的な目的は以下の通りです。
1.企業の社会的な存在価値を向上させる
自社が社会に対して「どのような企業でありたいか」をメッセージとして発信することで、社内外問わず企業理念や経営方針を浸透しやすくなります。
また、企業のビジョンを広く知らせることで、お客さまや取引先企業、従業員など様々なステークスホルダーに対して企業の社会的な信頼性を示すことにも繋がります。
2.市場での競争力を高めるため
ブランディングを行って自社の商品やサービスが世に広く知られることで認知度が高まり、他社競合と差別化が図りやすくなります。
「この商品と言えば〇〇社!」というイメージが定着すれば消費者から選ばれやすくなるため、市場での競争力も高まります。
以上のようにブランディングを行うことで長期的な経営の安定を実現させることができます。
ブランディングで得られる効果
前述の通り、商品やサービスの価値を言語化して認知度を高めていくブランディングですが、結果的にどのような効果が期待できるのでしょうか。
ここでは企業がブランディングを行うことで得られる効果について解説していきます。
具体的な効果は以下の通りです。
1.認知度・リピート率の向上
まずは認知度の向上です。先ほど解説した通り、「この商品と言えば〇〇社!」というイメージが定着すれば他社競合の商品より選ばれやすくなります。また、人は「自分が知っている商品」を選ぶ傾向にあるため、一度購入したものをリピートする確率は高いです。その結果、リピーターからの安定的な売上を確保することも可能となります。
2.従業員のモチベーション向上
自社の商品やサービスがブランディングにより認知度が高まるにつれ、社内の士気も高まります。また、定着したブランドイメージを崩すことのない行動を取るようになり、社内統制も図りやすくなります。
3.優秀な人材の確保
就活生が同じ業種・同じ条件で会社を選定している際、最終的な意思決定は企業に対してのブランドイメージを重視します。
そのため常日頃からブランディングを行い認知度を高めておくことで、自社の理念やビジョンに共感した人材が応募してくる可能性が高まります。
また、入社後のミスマッチも未然に防ぐことができるため採用面でもブランディングの効果は絶大です。
ブランディングを成功させるコツ
ブランディングを成功させるコツは大きく分けて2つです。
1.消費者目線で自社の強みを訴求する
ブランディングはいかに消費者目線で設定できるかが重要です。お客さまが求める価値や求めるものを重視してブランディング施策を行いましょう。
そして、他社競合にはない自社の強みとお客様のニーズをフィットさせながらブランディングを行うことで、長く愛されるブランドを育てることが可能となります。
2.コンセプトを明確にする
ブランドのコンセプトは他社競合と差別化を図り、独自性を打ち出していくために必要な要素です。コンセプトを明確にすることで、その後の商品開発やキャッチコピー、ロゴデザイン、広告宣伝など、一つ一つの取り組みがブレることなく、一貫性を保ちながら訴求することが可能となります。
なぜ中小企業がブランディングを行う必要あるのか?
ブランディングは長期的な施策になるため効果が測りにくいといった側面があります。しかし、成功すれば少ないコストで大きな成果が期待できます。
大企業と比べ、限りある予算で広告宣伝や販売促進を行う必要がある中小企業こそ、他社と差別化するためにブランディングを行うメリットは大いにあります。
また、自社の理念やビジョンに共感するファンを増やし、ブランドを確立していくことで自社の成長に繋げることもできます。
その一方で、「具体的にどのようにブランディングを行えば良いか分からない」と悩む担当者も多いと思いますが、ブランディングで一番効果的なのはテレビや雑誌、新聞などのマスメディアに取り上げられることです。
そのため、まずはブランディングが得意なPR会社に相談してみるのも良いでしょう。
有名企業のブランドメッセージ事例
最後は、ブランドが持つ「価値」を言語化しメッセージとして伝えていく「ブランドメッセージ」の事例を紹介します。
1.USPを訴求するブランドメッセージ
USP(Unique Selling Proposition)とは、ブランドが持つ「強み」や「ウリ」を意味するマーケティング用語です。
【1】ダイソン:「吸引力の変わらない、ただひとつの掃除機」
【2】Apple:「ポケットに1,000曲のミュージックライブラリを」
【3】QBカット:「ヘアカット1000円 所要時間10分」
このように、ブランドの「ウリ」を訴求することで、お客様の信頼を獲得することができます。
2.事業内容をダイレクトに伝えるブランドメッセージ
【1】ダイキン:「空気で答えを出す会社」
【2】YKK AP:「窓を変える会社」
ダイレクトに事業内容を伝えることで、アルファベット表記のブランド名でも、事業イメージを持ってもらいやすくなります。
3.お客様とブランドの距離感を示すブランドメッセージ
【1】ファミリーマート:「あなたと、コンビに、ファミリーマート」
【2】ロッテ:「お口の恋人」
【3】株式会社トンボ鉛筆:「これからも人間のそばを離れない」
主に小売業で使われることが多く、お客様との距離感をダイレクトに伝えることで、親近感を持ってもらえるというメリットがあります。
▼本編はこちら
まとめ
今回はブランディングの定義や必要性、成功させるポイントなどを詳しく解説していきます。
ブランディングは認知度を高めるだけでなく、経営を安定にさせる上でも重要な戦略と言えます。
ブランディングを行うことで、企業のサービスや商品の優位性を認識してもらうことで、消費者に選ばれやすい企業になることができます。また、ブランディングを積極的に行うことで、従業員の意識統一を図ることができ、事業推進が円滑になります。競争が激化する市場の中で、重要性が増すブランディング。企業が成長を続けるためにも、効果的なブランド戦略の立案・推進を行なってみてはいかがでしょうか。