不動産DXとは?ポータル依存を脱却!反響の3割超を自社サイトで獲得などの事例もご紹介!

Hachi(ハチ)マーケティング戦略室です。
不動産会社のマーケティング施策を「もっと」よくするアイディアマガジン「Hachi(ハチ)」を運営しています。
今回は、最近注目を集めている「不動産DX」について解説していきます。
この記事では、
- 不動産業界の課題
- 不動産DXを実現することで得られる効果
- 不動産DXを行った企業の成功事例
などを解説していきます。
まだ不動産DXの意味を理解していない。不動産DXの事例を知りたい。という方はぜひ最後まで読んでみて下さい。
不動産業界が抱える課題と現状
不動産業界のDXについてお話しする前に、まずは不動産業界の課題と現状について解説します。
1.不動産業界特有の商習慣やアナログ作業の常態化
これまで、不動産業界のDXが思うように進まなかった要因として、業界特有のアナログな業務スタイルからの脱却が困難であった点が挙げられます。
不動産売買や賃貸借などの不動産取引の多くは、今だに手書きで書類作成を行っていたり、来客対応や内見対応は対面で行なったり、顧客管理も過去のシステムを活用しているなど、さまざまな業務を属人的に行なっています。
しかし、新型コロナウイルス感染拡大を経てテレワークでの業務推進やzoomでの商談など、不動産業界においてもDX化が求められてきているのは事実です。
総務省が令和2年に発表した通信利用動向調査報告書(企業編)の調査では、不動産業界でのテレワーク導入率が令和元年の段階で25.4%であったのに対し、68.1%まで上昇しています。
2.顧客ニーズの変化
今までの物件探しは、不動産屋を2.3件回って物件を決めるのが一般的でしたが、最近はインターネットで情報収集を行うのが主流となりました。
場所や対面・非対面にとらわれない手続きが求められるようになり、ユーザーの消費行動は時代に合わせて変化し続けています。
つまり、不動産業界でDX化を実現していくためには、デジタルを活用して変化し続けるユーザーニーズに柔軟に対応することが重要であるといえます。
不動産DXで実現できること
それでは、不動産業界がDX化を推進する事で実現できることを解説していきます。
1.業務効率化による生産性向上が期待できる
従来のアナログ作業をデジタルシフトすることで、業務効率化による生産性向上に繋げる事が期待できます。
例えば、これまで手作業で属人的に行なっていた業務を自動化したり、業務の「見える化」を行う事で業務改善を行なったりと、ヒューマンエラーの防止や人件費などのコスト削減にもつながります。
また、情報をクラウドで管理することにより、部署間、社内外での情報共有も容易になるといった点もメリットして挙げられます。
2.労働環境の改善
DXを推進することで、従来の単純作業にかかっていた時間を削減できるため、長時間労働の是正や人手不足などの課題解決に効果的です。
また、専門的なスキルや知識が求められる業務も、ツールを導入しナレッジ共有を行う事で若手社員でも対応が可能になり、経験値による業務の偏りを減らすことも期待できます。
3.顧客満足度が向上する
DX推進は、顧客満足度の向上にも繋がります。
DX推進はこれまでの業務フローを自動化・可視化するだけでなく、単純作業を自動化し社員により重要度の高い業務に専念してもらう事が可能となります。
また、今まで蓄積したデータをDXやAI機能に移行することで、新規事業を展開することも可能です。
そのため、市場や消費行動の変化に臨機応変に対応することができ、結果として顧客の求めるサービスを提供することが可能となります。
不動産テックとの違い
不動産DXと似た言葉に、「不動産テック」というワードがあります。
不動産テックについて一般社団法人 不動産テック協会は以下のように定義しています。
不動産テックの定義不動産テックとは、不動産×テクノロジーの略であり、テクノロジーの力によって、不動産に関わる業界課題や従来の商習慣を変えようとする価値や仕組みのこと。
参照:一般社団法人 不動産テック協会
不動産テックの対象とする領域は、不動産実務の効率化や人手不足の解消だけでなく、テクノロジーを活用した新たな顧客体験や収益モデルの構築、プラットフォームの開発と多岐に渡ります。
また、不動産テック協会がまとめた「不動産テックカオスマップ」では12のカテゴリーごとに各サービスを紹介しています。
大切なのは、不動産DXや不動産テックは単なるデジタル化や業務効率化だけを目的としたものではないということです。
DX化を推進し、市場において競合優位性を勝ち取るためには、テクノロジーを活用して変化し続けるユーザーニーズに応えた新しいビジネスを開発し続けていくことが大切です。
不動産DXの成功事例
最近では、不動産業界の商慣習を見直し、DX推進を行う不動産企業も増えてきました。
ここでは、不動産業界の中でも先行してDXを業務に落とし込んでいる企業の成功事例を紹介させて頂きます。
成功事例1.三井不動産

画像:三井不動産HPより
業界大手の三井不動産は、テクノロジーを積極的に活用し、自社のDX推進事例をまとめた「2020 DX白書」を発表するなど、不動産業界のイノベーションをリードする企業です。
▼具体的な取り組みは以下のとおりです。
- システム統合
- クラウド活用
- ペーパレス化、印鑑レス
またコロナ禍においては、最初の緊急事態宣言時に在宅勤務率9割を達成。
社会情勢の変化に対応するだけでなく、従業員の労働環境の整備も率先して取り組んでいます。
また、「OPTiM AI Camera」と呼ばれるAIカメラを活用したオンライン内見など、業務効率化や従業員の働き方改革のみに留まらず、ユーザーニーズに合わせた新サービスも展開しています。
成功事例2.野村不動産

画像:野村不動産HPより
野村不動産のDX推進は、従業員の業務効率化と新サービスを開発しユーザーニーズに応える取り組みを行っています。
電子化ツール「Musubell(ムスベル)」を導入する事で、契約手続きにかかる業務コスト削減を実現。また、「野村の仲介+(プラス)いえーるダンドリ」という住宅ローンの業務専用のアプリを活用する事で、顧客の受託ローン業務の効率化を果たしています。
成功事例3.GA technologies
経済産業省と東京証券取引所が実施する「DX調査2020」においてDX銘柄に認定されたGA technologiesは、不動産オーナーの資産管理アプリを提供することでユーザビリティを高めることを実現。また、不動産取引のデジタル化を推進するなど、DX推進をいち早く取り組むなど、不動産業界のDXを牽引している企業と言えます。
賃貸住宅新聞掲載の事例もご紹介!
事例①|アンビション、賃貸DX店舗を出店
賃貸仲介事業を手がけるアンビション・エージェンシー(東京都渋谷区)は、DX(デジタルトランスフォーメーション)店舗「ルームピア上野御徒町店」の出店を4月1日に予定しています。
今春オープンするルームピア上野御徒町店は、オンライン接客や契約、VRなどを活用した内見ができるモデル店舗として運営。また、非接触で顧客の呼び込みが行えるデジタルサイネージの採用、複合機を設けないペーパレス化など仲介業務のDXを図るとのこと。
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事例②|スマートロック導入で効率化を図る!
パナソニックホームズ不動産(大阪府豊中市)とミサワホーム不動産(東京都新宿区)は10日、既存の管理物件にスマートロックを順次導入すると発表。
両社のスマートロック導入は、親会社であるプライムライフテクノロジーズ(東京都港区)がグループ横断で進める、DX(デジタルトランスフォーメーション)推進事業の一環として決定した。スマートロックを導入することで、セルフ内覧を進め、業務効率化を図るとのこと。
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事例③|ポータル依存を脱却!反響の3割超を自社サイトで獲得
2022年5月以降、賃貸仲介における重要事項説明の非対面化や書面の手続きが電子化できることになり、ついに賃貸仲介が完全非対面にて実施できるようになりました。
この法律が施行されるのを境に、賃貸仲介は完全オンライン賃貸を通じてDX(デジタルトランスフォーメーション)化へとシフトする流れが強まっています。
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まとめ
今回は不動産業界の現状やDX推進の重要性について紹介してきました。
DX推進を軌道に乗せるポイントは、業務効率化や働き方改善だけに留まらず、時代の変化に合わせた新規サービスを開発することです。
常にユーザーのニーズやトレンドキャッチし、他社競合がまだ参入していない新たな価値を生み出すビジネスを迅速に生み出すことが重要です。
ぜひ本記事を参考に不動産DXの推進を実施してみては如何でしょうか。