生産性を上げる方法とは?5つの施策と失敗事例を徹底解説!

そもそも生産性とは
そもそも生産性とは、投入したインプットに対して、得られる成果物(アウトプット)の量の比率を言います。
方程式に表すなら『生産物=成果物(アウトプット)÷投入(インプット)』です。
この比率の値が大きいほど生産性が高い状態であるといえます。
生産性を上げる2つのアプローチ
生産性をあげるアプローチには以下の2種類があります。
アウトプットを最大化する
→同じ労働時間で多くの価値を出す。
インプットを効率化する
→少ない労働時間で、同じ価値提供をキープする。
生産性が高い人は、このどちらか、もしくは両方を実現している人といえます。
生産性を上げる方法
ではどのように生産性を上げていけば良いのでしょうか?
ここでは、企業が生産性を上げる方法を5つご紹介します。
具体的には以下の通りです。
1.現状分析と課題の洗い出し
まずは自社の現状としっかり向き合い、課題を洗い出していくことが大切です。
日々の業務を可視化したうえで、現状の生産性や業務効率を把握し、その中にどのような課題が挙げられるのか、どこにボトルネックがあるのかを明確にしていきます。
その際、担当者一人が取り組むのではなく、なるべく組織の従業員一人一人が当事者意識を持って行うことが大切です。
経営者や管理者の視点でなく現場の声を聞くことが過剰なコストが発見できる可能性があります。
2.ムダな業務を洗い出す
現状把握と課題を整理した上で、「業務効率化」もしっかりと考えていきましょう。
従業員が日々取り組んでいる業務の中にも、ムダな業務、非効率な業務が潜んでいる可能性があります。
例えば、複数の業務を一括りにできないか、業務が特定の従業員に偏っていないか、担当者によって成果にムラが生じてないか…などを一つ一つ確認していきましょう。
3.テクノロジーを導入してみる
ITツールやアプリケーションの導入によって改善できる点がないかも検討してみましょう。
特に最近の業務用IT技術の発達には目覚ましいものがあり、複雑な機械操作やソフトウェアの操作をPCが自動で行なってくれるRPA(Robotic Process Automation)の技術などが注目されています。
もちろん費用もかかるため慎重に検討すべきですが、新技術の低コスト化も進んでいるため、検討材料の一つとして考えてみるのも良いでしょう。
4.従業員のスキルアップ
従業員一人一人のスキルアップが実現すれば、生産性が向上するのは明白です。
強引に進めるのでなく、1人が短時間で多くの業務をこなすためにはどのようなスキルアップが必要であるかを考えてみましょう。
「入社後、新人研修をしてその後は放置…」という企業も多いですが、定期的な研修や意見交換会など、スキルアップのための施策を継続することが大切です。
5.情報共有の仕組みをつくる
情報共有の不備が生産性を阻害している場合もあります。
- 「リアルタイムで情報が得ることができず、従業員が動けない」
- 「誰が何をしているのか把握できず、業務が的確に采配できない」
上記のような課題がある企業は、情報共有の仕組みづくりに注力してみましょう。
特に、ホワイトボードで行うアナログな情報共有や、Excelの共有による簡易的な情報共有では万全とは言えません。
最近はリアルタイムで的確な情報共有を行えるチャットツールが多くリリースされていますので、それらの導入も検討してみましょう。
生産性が高い人の特徴
続いては生産性が高い人の特徴について解説してきます。
具体的には以下の7つの特徴がありますので、具体的に解説していきます。
1.普段のインプット量が多い
短時間で質の高いアウトプットができる人は、往々にして普通の人とは違う頭の使い方をしています。
プライベートの時間も含め、さまざまなところにアンテナを張って知識や情報の引き出しを増やしています。
その結果、決められた業務時間の中で、より効率的にアウトプットを出すことができているのです。
2.時間管理の徹底と集中力
様々な仕事をこなすマルチタスク能力も大事ですが、あれもこれもと中途半端に手をつけ、最終的に多くの時間を消費してしまっては本末転倒です。
複数のタスクを分解し、「この時間はこの仕事に集中する!」とひとつのことに集中してすることも生産性を上げる上で重要であると言えます。
3.議論をまとめる要約力
生産性の高い人は、「要約力」も高いため、議論や会議での話し合いも体系的にまとめることができます。
内輪だけで盛り上がる会議を行って時間をムダに過ごすということはしません。
4.目標設定が高い
生産性が高い人は基本的に高い目標を掲げているという共通点があります。
自分に厳しく、いかにアウトプットの質を上げるか、いかに効率よく仕事をするかといったマインドを意識的に行っています。
5.優先順位をつけるのが上手い
生産性が高い人は、最終的な成果に辿り着くための取捨選択や優先順位付けが上手い傾向にあります。
6.情報の整理がきちんとしている
生産性の高い人は、情報を必要なときに素早く取り出せるようにまとめておくことで、探す手間を省きアウトプットにつなげることができています。
効率よく情報整理を実現することができるITツールをしっかりと使いこなす能力も高い傾向にあります。
7.生産性の向上を強く意識している
生産性の高い人は、どのような業務においても生産性の向上を強く意識しています。
ただ上から降ってくる仕事をこなすだけのスタンスで仕事に臨んでおらず、自ら主体的に効率的な方法を模索する傾向にあります。
生産性を上げることで得られるメリット
続いては、生産性を上げることで得られるメリットについて解説していきます。
代表的なメリットは以下の4つです。
1.ワークライフバランスの改善が図れる
生産性を上げることで、従業員の残業時間が減ります。
これは最近注目を浴びている「ワークライフバランス」「働き方改革」に対しても十分効果的です。
結果、従業員のモチベーションやパフォーマンスが向上し、離職率防止にも繋がります。
2.他社競合と差をつけることができる
他社競合と差をつけるために、生産性向上は効果的です。
たとえ他社競合に比べ事業規模が小さくても、充分な生産性を確保できていれば負けることはありません。
また、国際競争という意味でも生産性の向上は注目されています。
日本の労働生産性は先進国の中でもかなり低いと言われているため、諸外国をお手本に生産性を改善することが求められているのも実情です。
3.コスト削減に繋がる
生産性の向上とコスト削減は、ほぼイコールとも言えます。
残業代や固定費を減らすことができれば、その分のコストを労働環境改善や、新商品の開発に充てることもできます。
4.人材確保に繋がる
日本の労働人口は、今後数十年にわたって減少しつづけることが予測されています。
すなわち、生産性向上に努めていない企業は、近い将来、人手不足に陥ってしまうのは明白です。
少々ネガティブな意見になってしますが、生産性向上は企業存続のためにも継続的に行なっていくべき企業の「義務」と言えます。
生産性向上で陥った失敗事例
生産性を上げるために無理やり始めた結果、生産性が上がるどころか現場が混乱し、業務の進行が妨げられてしまう場合もあります。
ここからは、生産性向上を図った結果、失敗してしまった事例を紹介します。
失敗事例1.マルチタスクの押し付けが横行した
生産性の向上とは、従業員1人1人の生産性を高めるために行います。
しかしこの考え方は「人員を減らし、1人の従業員に色々な業務をやらせる」という発想に変換されがちです。
あくまで許容量に収まる範囲のマルチタクスであれば良いのですが、過度なマルチタスクは逆に生産性を低下させます。
結果的に、従業員に精神的・肉体的なストレスが多くかかり、ミスが増えたり判断力の低下によって作業効率が低下してしまいます。
さらには労働環境に耐え切れず従業員が退職し、人員が枯渇してしまいます。
実際にマルチタスクを得意とする人も少なくなく、マルチタスクで成果を挙げられる業務はありますが、仕組みとして落とし込む以上、大きなリスクも伴うということを覚えておきましょう。
失敗事例2.過酷な長時間労働を余儀なくされた
少ない人数で大きな成果を挙げるために長時間労働や深夜労働を強いる企業も存在します。
当然ですが、これも決して良い結果を生みません。
長時間労働は瞬間的に生産性を向上させることができますが、中長期的に見れば決して現実的な施策ではありません。
従業員は必ず疲弊し、同じペースの生産性を維持することは到底難しいです。
残業や時間外労働によりコストの増大、退職者の増加、最悪の場合は過労死などの悲劇もあり得ます。
従業員は組織の資産であることを心得て、適正な労働環境で生産性向上を目指しましょう。
3.なんでもかんでも「削減」に走りすぎる
実は、生産性向上は「全体を見る」ことでしか実現しません。
矢継ぎ早に生産性向上をやろうとすると、
- コスト削減
- 人員削減
- 労働時間削減
などの「削減」を連発しがちになります。
削減をすることが間違いというわけではありませんが、削減するという行為は生産性を高めるための一つの手段に過ぎないということを理解しておきましょう。
日々の業務を広い視野で見渡し、どこを縮小し、どこを増大させるかを考えるのが本来の生産性向上のための施策といえます。
まとめ
今回は企業が生産性を向上させる方法や失敗事例を解説しました。
特に日本は国際的に生産性が低いと言われています。
2018年の日本人1人当たりの GDP(国内総生産)は世界26位と、かなり低い順位です。
理由のとしては、日本で求められているサービスの質が高すぎるため、どんどん効率が悪くなってることが挙げられます。
まずは本記事を参考に自社にあった生産性の高め方を模索してみてはいかがでしょうか!