Web集客数3.3倍!商談数も3年で4.4倍!不動産会社のインサイドセールス導入事例!

Hachi(ハチ)マーケティング戦略室です。
不動産会社のマーケティング施策を「もっと」よくするアイディアマガジン「Hachi(ハチ)」を運営しています。
今回は、最近注目を集めている「インサイドセールス」について解説していきます。
この記事では、
- インサイドセールスの定義
- インサイドセールスを導入することで得られる効果
- インサイドセールスを行った不動産会社の成功事例
などを解説していきます。
まだインサイドセールスの意味を理解していない。インサイドセールスの導入事例を知りたい。という方はぜひ最後まで読んでみて下さい。
目次
インサイドセールスとは
インサイドセールスとは、まだ検討段階の「見込み客」に対して、メールや電話、zoomなどの会議ツールを利用して行う、内勤型の非対面で行う営業手法です。
見込みの低い顧客に対して訪問を行わず、成約の期待値が高まるまで非対面でコミュニケーションを図ったり、フォローを行ったりすることで、商品やサービスに対しての購入意欲を高め、購買意欲が高まったタイミングで営業担当者にトス上げ(送客)を行います。
また「インサイドセールス」に対して、取引先企業を訪問しながら「商談化」につなげていく「外勤型営業」のことをフィールドセールスといいます。
つまりインサイドセールスとは、「マーケティング」」と「フィールドセールス」の中間とも言える営業手法です。
フィールドセールスが主流な不動産業者の課題
それでは、不動産業界でインサイドセールスが注目されている背景について解説していきます。
フィールドセールスでは、一人の営業マンが対応できる顧客数が限られており、効率が悪い上に多くの人的リソースを要します。そして、不動産業界も例外ではありません。不動産業界も人手不足の課題が浮き彫りになってきているため、少人数でも結果を出せるインサイドセールスのニーズが高まってきていると言えます。
また、フィールドセールスは短期的な成果に繋がりやすいといったメリットがある反面、顧客との長期的な関係を築くのが難しいといった側面もあります。
そこでインサイドセールスなら、消費者が購入を決断するまでに何回もアプローチをしているため、購入したあとの関係も築きやすいです。
不動産業者がインサイドセールスを導入して得られる効果
それでは、不動産業者が「インスサイドセールス」を導入することで得られる効果はどのようなものがあるのでしょうか。
ここでは具体的な効果について3つ解説します。
1.業務の専門化が実現する
一般的な不動産営業は、すべての工程を1人で行う必要があります。
その営業の仕事の中でも「お客様」と直接折衝することが一番重要な業務となります。
しかし多くの不動産営業は、「追客」を後回しにすることが多く、購買意欲の低い「見込み客」については更に優先度が低くなりがちです。
そこで、「インサイドセールス」を導入することで、営業はお客様との折衝にのみ時間を割くことが出来ます。
また、インサイドセールスチームは新規顧客の獲得にのみ専念できるため、試行錯誤を繰り返し、結果として新規の顧客数を増やすことができます。
2.コスト削減
不動産会社を経営する上で、採用・教育・人件費などのコストは避けては通れません。
一般的な「不動産営業」は、事務処理も営業も追客も物件募集も全てこなせる人材が求められる傾向にあります。
しかし実際のところ、上記のような理想的な人材の採用は難しく、教育しても上手く育たず、仮に採用したとしても人件費が高くなる傾向にあります。
そこでインサイドセールスを専属で行うチームを発足することをお勧めします。
例えば、
- 「不動産経験は無いけど電話の雰囲気がいい」
- 「メールの文章が上手」
- 「広告運用など分析・解析能力に長けている」
など、不動産営業に求めるスキルとしては物足りない部分はあるけど、インサイドセールスというポジションであれば活躍が期待できる人材も採用対象に加えることが可能になるため、「採用コスト」をかけることなく、インサイドセールスを行う組織を立ち上げることができます。
また、業務の「専門化」が実現するため、教える範囲が絞られ「教育コスト」を下げることも可能です。
更に、上記の全てができる「不動産営業」を採用する必要がなくなるため、相対的に人件費を下げることにも繋がります。
3.業務を分業化させ再現性を高められる
一般的な不動産営業は、営業マン1人1人に営業数字に対する責任が大きくのし掛かります。
例えば、 「トップの営業マンが抜けて、会社全体の収益が大きく下がった…。」といった事例はよく聞く話です。
そこで、インサイドセールスを導入することで、1人1人にかかる責任を低減させることが可能です。
また、チームとして働くことが前提となるため、属人的な作業になりにくく、ノウハウの蓄積もコンスタントに行えるため、人材が抜けても穴埋めができる体制を整えることができます。
インサイドセールスのデメリット
ここまで、「インサイドセールス」の重要性や得られる効果など、良い部分をご紹介してきましたが、もちろんデメリットも存在しますので解説していきます。
代表的なデメリットは以下の通りです。
1.人員が増えるため統率力が必要となる
前章の通り、インサイドセールスはチームとして働く事が前提となるため、分業制になり人が多少なりとも増える傾向にあります。
そのため、少人数では問題にならなかったことも、人が増えることで問題になるケースもあります。
理想としてはチームを統率するリーダーが1人いるのが理想ですが、立ち上げた際は任せられる人材がいない場合もあるため、社長や事業部長などが兼任することが多いです。
2.スキームが「縦割り」になりやすい
インサイドセールスはアポイントメントの獲得や商談化、営業は契約数と目標となる数字が大きく違います。
そのため、スキームが縦割りになりやすく、 「これは自分達の仕事ではない」などのトラブルが発生しやすくなります。
特に、不動産営業はインサイドセールスを見下しがちなため、それが原因でトラブルが起きるケースもあります。
お互いの業務をリスペクト出来る雰囲気や、給与体制など、従来考える必要のなかった問題と向き合う必要が出てくる点もデメリットとして挙げられます。
3.一人前の不動産営業マンが育ちにくい
インサイドセールスは分業制で行うため、全ての業務を一気通貫で行うことはありません。
そのため「インサイドセールス」としてのスキルを高めることは出来るけど、「不動産業界のことや、不動産知識は全然分からない…。」と言ったことが起こり得ます。
不動産業者がインサイドセールスを導入する際のポイント
不動産業者がインサイドセールスを導入して商談化に持っていくためには、具体的にどうすれば良いのでしょうか。
先進国アメリカでは、インサイドセールス専属のチームを設けて組織全体の成約数を伸ばしている企業も存在します。ここでは、インサイドセールスを導入する際のポイントについて解説していきます。
1.潜在客のニーズを把握する
インサイドセールスは、潜在客のニーズを理解することが大切で、適したタイミングで情報提供を行う必要があります。逆に潜在客が必要としていない「キャンペーン情報」や「イベント招待」などを一方的に行うのは止めましょう。これは逆効果となり顧客離れに繋がります。
2.ストーリーをしっかり構成する
自社の不動産やサービスに付加価値を加えて、見込み顧客の購買意欲を高めるには、ストーリーを構成することが一般的です。基本的な構成は、見込み顧客が自社のサービスに興味を持ち、比較検討を行い、購買活動に至るまでのプロセスをストーリーにします。
そして、このストーリー(購買プロセス)を構築しておくことで、電話営業やメルマガ、自社LPでのサービス紹介ページなど、あらゆる場面で活用することができます。 消費者がサービスを選べる時代ではありますが、ストーリーを構成することで付加価値の向上が見込めます。
3.定期的なフォローを実施する
潜在客に対しては、情報提供を通じてコミュニケーションをとりながら、商談化するまで育成していかなければいけません。WEBページの閲覧履歴や資料ダウンロードなどから得られる顧客リストから、商談化する顧客はごくわずかです。
しかし、他社競合の不動産情報が溢れる現代で勝ち残っていくためには、潜在客を育てていき、商談化につなげ、収益を高めていく必要があります。 そのため、まだ購買意欲の低い「見込み客」であったとしても放置するのではなく、定期的なフォローを実施し、興味喚起につなげていきましょう。
4.ソーシャルセールスを活用する
全米不動産業者協会(National Association of Realtors)の調査によると、全米の不動産業者の77%がSNS(ソーシャルメディア)を活用して顧客開拓を行っています。
ソーシャルセールスとは、SNS(ソーシャルメディア)を活用して顧客と接点を築きいて行う営業手法です。インターネットの普及により、消費者の方も、興味を持ったサービスを検索するのが当たり前の時代になりました。SNS(ソーシャルメディア)で、自社のサービスの特徴や利便性を記載しておくことで、新たな依頼がくる可能性も高まります。
日本では、ソーシャルセールスを行っている企業や営業マンは少ないですが、先進国アメリカはソーシャルセールスが主流となりつつあります。
5.インサイドセールスの営業手法をアップグレードしていく
インサイドセールスを行う中で、定期的に営業手法を見直すことも必要です。中には、見込み客を商談化に持っていくのが上手なスタッフもいます。そして、上手くいくインサイドセールスの営業手法には共通する部分が多くあります。そのノウハウをチーム全体で共有することで、チーム全体の商談件数を増やすことも可能です。
不動産業者のインサイドセールス導入事例
導入事例①|広告費半減でもWeb集客数3.3倍!商談数も3年で4.4倍に!
株式会社atsumel(愛知県名古屋市)は、不動産仲介事業や注文住宅事業、リノベーション事業など、愛知県で不動産業・建設業全般を手がけるアップウィッシュ株式会社のグループ会社です。
同社が最初に着手したのは、Sales Cloudによる顧客・商談等の情報管理の一元化です。
当時それらの情報は、店舗ごとに紙やExcelで管理されていたため、フォーマットや更新頻度はまちまちで正確性・即時性に欠け、当然ながらグループ全体の経営状況は不透明。
全事業部長が毎週1回、実績確認の会議のために県内各地から集まる必要があり、資料作成にもリソースを割かねばなリませんでした。
そのような状況下で「Sales Cloud」を導入することで、顧客・商談・物件・売上など、経営判断に必要な情報をリアルタイムで精緻に把握できるようになりました。
また、宣伝広告費の最適化を図るため、予算の主な投下先を従来のチラシや雑誌広告からWeb広告に切り替えたところ、メールによる反響(問い合わせ)が毎月100件以上と爆発的に増加。
Salesforce導入&インサイドセールス設立で見事に商談数を増やすことに成功しました。
さらに詳しい事例はこちら!
導入事例②|急成長中の不動産管理会社が機会損失低減と業務効率化を実現
長崎県長崎市に本社を置く株式会社福徳不動産は、不動産総合サービスと福祉サービスを提供する企業です。
貸営業部では、顧客の来店時に氏名・住所・要望等を手書きしてもらっていた「ウェルカムカード」をiPadで入力、Sales Cloudにデータが自動的に蓄積されるようにし、顧客の状況を部門横断的に把握できるようにしました。
それによって営業スタッフによる再入力作業が不要になり、年間約900 時間を削減。その分、接客に時間を使う、早めに退社するなど、働き方にも大きな変化があったといいます。
また、管理事業部では、スケジュール管理などにSalesCloudを利用。
たとえば賃貸物件の顧客の退去後には、できるだけ早く清掃や補修工事を済ませ、次の入居者の受け入れ態勢を整えることが重要だが、従来はその工程に平均2 週間を要していました。
そこで、清掃業者にSales Cloudのライセンスを渡して入退去の情報を共有。スケジュール調整等のやり取りが円滑化された結果、1 週間程度で入居者の受け入れ準備を完了できるようになりました。
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導入事例③|商談数が6倍に!オンライン商談で不動産を売り切る信頼関係の築き方とは
投資用マンションの売買や仲介・管理などの不動産業と、生命保険の代理店業を行っている。ラクサスマネジメント株式会社。
同社はもともと電話と訪問営業が中心で商談数・成約数共に伸びづらいことが課題でした。
特に訪問営業は移動時間がネックとなり対応件数が限らています。そこでオンラインをうまく使って商談件数を増やしたいと考え、2020年5月にbellFaceを導入しました。
また、商談のオンライン化と同時に、Web広告を使った宣伝を始めました。その結果、アポイント件数が1日平均3~4倍に増加。以前は月の商談数が50~60件でしたが、今はbellFaceを使っていることもあり、150~300件と最大6倍になっています。
特に不動産は長いお付き合いになる商品なので、時間をかけた関係構築が大切です。他社ではなくうちの担当者を選んでもらえるよう、オンラインではあえて商談回数を増やしているとのこと。
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まとめ
今回はインサイドセールスの定義やインサイドセールスを導入して得られる効果、導入する際のポイントなどを解説しました。
インサイドセールスは今後さらに不動産業者にも浸透していくことが想定されます。これまでフィールドセールスをメインに行ってきた会社様も、効率的に収益性を高めるために、インサイドセールスの導入を検討してみてはいかがでしょうか。もしかしたら、不動産業者が抱える課題解決の糸口になるかもしれません。