マーケティング・マネジメントとは?経営学者フィリップ・コトラー氏が提唱する8つの課題とは?

目次
マーケティング・マネジメントとは
マーケティング・マネジメントとは、マーケティングプロセスをチェックするための仕組みのことを言います。
また、マーケティング・マネジメントは「マーケティング・マネジメント・システム」とも呼ばれることもあり、以下の3つのサブシステムから構成されます。
1.マーケティングの実行計画と予算管理
マーケティングの実行計画はできるだけ数値化された評価指標を設けることが重要です。特にマーケティングの成果は定量的な数値で表現しにくいため、メンバーのモチベーションを下げないような目標設定を心がける必要があります。
2.マーケティングの情報システム
マーケティングの戦略は、市場や競合の動向、販売状況など、様々な側面から分析し立案する必要があります。常に最新の情報を収集する必要があるための情報システムはマーケティングの戦略立案において必要不可欠と言えます。
3.マーケティング組織
上記の仕組みを円滑に運営するためには、施策を実行する従業員が属する組織に仕組みや評価指標を落とし込む必要があります。
以上、3つの側面から、マーケティング・マネジメントを行い、マーケティング施策を通じて成果に繋げていく必要があります。
マーケティング・マネジメント8つの課題
アメリカ合衆国の経営学者フィリップ・コトラーは、マーケティング・マネジメントの課題として、8つの課題を提起しています。
- 1.転換:市場の先入観などによって存在するマイナスの需要をプラスに転換することを目指す。
- 2.同調:季節変動などの需要の不規則化を平準化する。
- 3.刺激:もともと需要が存在しないような市場において商品の効用を訴えることによって刺激を与え、需要を創造する。
- 4.維持:競合相手の動向や市場の変化を予測して、優位的な市場の地位を維持する。
- 5.開発:潜在的な需要がある市場に対して、それが顕在化するよう開発する。
- 6.抑制:不適切な需要超過傾向がある場合には、それらを抑制して適正な水準に誘導する。
- 7.再生:需要の衰退を予知して、再生化させる。
- 8.反対:意図的に商品を不適切と評価して、需要を減少あるいは消滅させる。
マーケティングは生活を豊かにする成長エンジンでなければいけない
フィリップ・コトラーが2018年に来日した際は、以下のように述べています。
「古いマーケティングは、セールス、広告、プロモーションなどをテーマとしてきた。マーケティングのスキルセットで、もちろん、依然間違いではないが、今ではもっと広い意味で捉え直すべきだ。新しいマーケティングは、ターゲット顧客に対してより優れた価値を創造し、コミュニケーションし、届けること。そして、マーケティングは今、大きく変わろうとしている。最新のマーケティングは、マーケティングを企業の成長エンジンと捉える。」
「作ったものをどう売るか。これは昔のマーケティング。新しいマーケティングは、自分たちが何を作るべきかを決める。そして今は、自分たちは相応しいものを作っているか、だけでなく、それが新しいかも重要。」
「優れた会社は、自分たちの目的は金を儲けることだ、とは言わない。より高い目的があるはずだ。それは、世界中の人々の生活を良くする、生活環境を発展させることだ。日本だけでなく、他の地域も。」
★参照
この公演では、企業が行うマーケティングは、「社会をより良くし、生活を豊かにするための成長エンジンでなければならない。」という日本企業に対しての強いメッセージとなりました。
マーケティング・マネジメントは、企業が売上を伸ばすために非常に重要な取り組みです。
目先の売上のためでなく、人々の生活を豊かにできるより組みを心がけていきたいですね。