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SaaS企業のマーケティング手法とは。マーケターのKPIや評価指標も分かりやすく解説!

 
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ブログ歴10年、Webマーケティング歴5年の不動産ブロガーです。 不動産集客や不動産テック、SEO対策など、デジタルマーケティングを行う傍らブログサイトを運営中。 この『Hachi-ハチ-』では、主に不動産集客やメディア運営・SEO・ブランディングのノウハウ等をまとめています。
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SaaSとは

SaaS(サースまたはサーズ)とは、「Software as a Service」の略称で、ユーザーが求める機能をクラウド上で利用することができるソフトウェアの提供形態のことです。

 

今では日本でも主流になりつつあるクラウドサービス(※1)ですが、一昔前はユーザーがソフトウェアを購入してコンピューターにダウンロードする形が一般的でした。

 

SaaSでは、ソフトフェアは提供側のサーバーで起動して利用するため、ユーザーは毎月設定されている料金を支払うことで、インターネット経由でサービスを利用することができます。

 

例えば最近は、「Netflix」や「Apple Music」などの月額課金型(サブスク)のSaaS型のサービスが好調です。

 

※1:クラウドサービスとは、離れた場所で動くコンピューターを、インターネットを介して使うサービスのことです。

 

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SaaSビジネスの種類

それではSaaSのビジネスモデルにはどのような種類があるのでしょうか?

 

具体的に以下の3つに分類されます。

 

1.サブスクリプションモデル

サブスクリプションモデルとは、商品やサービスを購入するのではなく、月や年単位などの決まった期間だけ料金を支払って利用するサービス形態です。 定額制、使用した分だけ課金される従量制などのモデルがあります。 企業側から見れば、無料または低価格にすることで限りなく簡単に新規受注を獲得することでができます。

 

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2.フリーミアム

「フリーミアム」は、「フリー(free)」と「プレミアム(premium)」を掛け合わせた造語で、基本機能は無料で提供し、追加機能やより高度な機能などを有料で提供するビジネスモデルのことです。

 

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3.データドリブンな分析・解析を行う

データドリブンとは、ビッグデータ(膨大かつさまざまな種類の情報)を活用した分析結果をもとに、ビジネス上の課題解決のための施策立案や意思決定を行うことを言います。

 

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SaaS企業のマーケティング戦略

続いてはSaaS企業がマーケティング戦略を立てる上で必要な5つのポイントを解説していきます。

 

1.ターゲットを明確認する

SaaS企業がマーケティング戦略を考える上で、まずはターゲットを明確にしておく必要があります。

 

SaaS企業のマーケティングはリード(※1)獲得がKPI(※2)になることが殆どですが、サービスにフィットしないリードを集めても契約につながる可能性は低いです

 

自社のサービスにニーズがありそうな、ターゲット像(「性別」「年齢」「職業」などを細かく設定した人物像)を明確にしておくことで、効率的に集客を行うことができます。

 

※1:リードとは、マーケティング用語で「見込み客」や「潜在顧客」を意味します。(参考|https://marketing-media8.com/lead-marketing/ )

 

※2:KPIとは、業務のパフォーマンスを計測・監視するために置く指標です。KPIの達成状況を確認することは、目標までの進捗を把握することを意味します。ビジネスではチーム内でKPIを共有し、目標に対する到達率を数値で把握することで適切に組織活動を行うことができます。(参考|https://www.kaonavi.jp/dictionary/kpi/

 

2.サービスの認知度向上に注力する

サービスをリリースしたばかりの「導入期」には、自社サービスの魅力や「どのような課題を解決してくれるか」を、オウンドメディアやSNS、広告などを通じて発信し認知度を高める必要があります。

 

注意点としては、世界観やデザインを意識するあまり抽象的な表現になってしまい上手く伝わらない場合があるため、「具体的に何ができるサービスなのか?」を明確に伝えることが大切です。

 

また、ユーザーの導入事例やお客様の声を発信することも有効です。導入を検討しているユーザーは、大手企業や似た業種での事例を見ることで、安心して契約できるようになります。

 

3.マーケティングプロセスをステージごとに設計する

現在ではある程度の情報は公開していきながら、より詳しい情報を求める時にはフォーム入力を求めるというように、ステージに応じて、中身を分けて提供していくやり方が主流になっています。

 

それを表したのがこちらの図です。

ここでは、見込客の検討ステージを初期・中期・後期に分け、それぞれ企業側がどう対応すべきか、そのためにどんなコンテンツを提供すればよいのかもまとめています。

 

匿名状態でもサイト上の行動はトラッキング可能なので、検討初期では無理にコンタクト情報を取得することなくコンテンツを見てもらうことができます。

 

次に、検討が具体化した時に見るであろうコンテンツについてはフォーム入力を要求し、確実にコンタクトできるようにします。

 

この時点で、その人が検討初期にどのようなコンテンツを見ていたかの情報も結合すると、見込客の関心についてより深いインサイトが得ることが出来ます。

 

検討後期のコンテンツについては、すでにコンタクト情報を取得していれば再度フォーム入力を求める必要はありませんが、最初から購入意欲が高く、いきなりこのステージのコンテンツを見ることもあり得るので、ケースバイケースでフォーム入力を求めるようにします。

 

企業側は自社のコンテンツを整理し、どのような検討ステージの見込客がそれを必要としているのかを考慮して、パーソナライズした情報を提供する仕組みを用意する必要があります。

 

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4.ツールを活用する

リードマーケティングを実施する際は、ツールを活用すると効率が上がります。

 

リードマーケティングとは、顧客の購買プロセスの段階に応じて見込み客と最適なコミュニケーションを図り、顧客リストの中から購買意欲の高いリード(顧客)かどうかを選別していく活動を意味します。

 

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最近ではMA(マーケティングオートメーション)やCRM(顧客管理システム)などを導入しリードマーケティングを積極的に行う企業も増えつつあります。

 

こうしたツールを導入することで、見込み客との過去のやり取りや行動の履歴をストックする事ができます。これによりパーソナライズされた施策を設定し、適切なタイミングで営業担当に渡す事が可能になります。

 

5.社内整備を行う

SaaS企業のマーケティング戦略にはさまざまな手法があります。そして、効果的に成果を出すためにはユーザーの状況ごとに適切なアプローチをしていくことが重要です。

 

また、マーケティングで正しい判断や意思決定を行うためには、マーケティング部門に優秀な人材を集めて、熱意を持って取り組む必要があります。

 

そして、マーケティング部門は営業部門とのリレーションを構築しておくことが重要です。マーケティング部門で獲得したリードは、営業部門へトス挙げを行い商談⇒契約に繋げることで売上となります。このため、両部門の連携が取れていないと、企業全体としての成果は向上しません。

 

以上のように、SaaS企業がマーケティングで結果を出すためには、社内整備が非常に重要です。社内にマーケティングのノウハウがない場合には、コンサルティング会社に依頼するのも必要に応じて検討してみましょう。

 

SaaS企業のマーケティング手法

SaaS企業のマーケティングを担当する場合、各手法の特徴を理解した上で施策に取り組むことが大切です。

 

ここでは、SaaS企業の主なマーケティング手法を6つ紹介します。

 

1.コンテンツマーケティング

コンテンツマーケティングとは、ユーザーにとって価値のある魅力的なコンテンツを提供し、自社のファンになってもらうことで、認知度を高め結果的に収益UPに繋げていくマーケティング手法を指します。

 

例えば、暮らし関連する質の高いコンテンツを発信することで、今まで潜在顧客だった顧客を見込み客になるフェーズまで育てることにより、需要の顕在化を果たし、商品・サービスの購買につなげることができます。

 

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2.メルマガ運用

メルマガ運用は、お客さんに対してメール配信行うことにより伝えたい情報やお役立ち情報を直接的に届けることができるマーケティング手法です。

 

定期的に新着情報やセミナー情報、暮らしに関わるお役立ち情報を発信することで、お客さんに興味を持ってもらい、商談化につなげることを目的としています。メルマガ登録者に対して一斉送信を行ったり、属性(年齢や単身・ファミリーなど)を分けて配信する方法もあります。

 

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3.イベント・セミナー

イベントやセミナーもSaaSのマーケティングに繋がります。ターゲットの課題解決に役立つイベントやセミナーを開催すると、見込み度の高いリードを獲得できるでしょう。

 

オンラインのセミナーなら、場所を問わず幅広いターゲットへのアプローチが可能です。

 

4.Web広告

Web広告はユーザーを細かくターゲティングでき、少額の広告費から始められるため、SaaSの認知拡大やリード獲得に効果的な手法です。

 

Web広告には検索エンジンの結果画面やWebサイト、SNSなど様々な配信先があります。テキストやバナー画像を使った広告だけでなく、動画広告の出稿も可能です。

 

5.テレビCM

TVCMを利用すると、幅広い層から認知を獲得できます。信頼性が高まりやすいことがTVCMのメリットです。ただし、Web広告などと比べて広告費が高い点に注意する必要があります。

 

SaaS企業のマーケティングでKPIとされる評価指標

SaaS企業のマーケティングでKPIとされる代表てきな評価指標は以下の通りです。

 

1.LTV(ライフタイムバリュー)

LTVとは「Life Time Value」の略で、「顧客生涯価値」という意味です。

 

これは、顧客が自社と契約してから解約するまでの間にもたらす利益を表した指標で、下記のように計算します。

 

LTV=契約1件あたりの収益×年間の平均売上契約数×継続購買年数

 

仮に月額1万円で利益率が50%のサービスを提供していたとして、ある顧客が3年契約してくれたのであれば、LTVは「(1万円×50%)×12ヵ月×3年=18万円」となります。

 

2.CAC(顧客獲得単価)

CACとは「Customer Acquisition Cost」の略で、「顧客獲得単価」を意味する言葉です。

 

1人の顧客を獲得するためにかかった人件費や広告費などのコストを表し、下記のように計算します。

 

CAC=営業費やマーケティング費など新規顧客獲得のためにかかったすべての費用÷新規顧客獲得数

 

例えば、1ヵ月間にかけた費用が100万円で、20件の顧客を獲得できた場合、CACは「100万円÷20=5万円」となります。

 

3.Unit Economics(ユニットエコノミクス)

ユニットエコノミクスとは、顧客1人あたりの採算性(投資した額より多くの利益を得られているか)を示す指標のことです。

 

計算式は、以下のとおりです。

 

ユニットエコノミクス = LTV(顧客生涯価値)÷CAC(顧客獲得単価)

 

LTVが18万円でCACが5万円だったとすれば、ユニットエコノミクスは「18万÷5万=3.6」となります。一般的には、ユニットエコノミクスが3以上あれば健全な経営だといわれています。

 

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4.月次収益

MRR(Monthly Recurring Revenue)とは月額利用料と顧客数から算出される月次収益を表します。MRRによって、月ごとの成長率や目標達成の進捗を把握することが可能です。

 

5.解約率:チャーンレイト

解約率(Churn Rate)とは、一定期間内にどのくらいのユーザーが解約したかを表す指標です。ある時点でアクティブだったユーザーの数に占める解約ユーザーの割合として、解約率が算出されます。

 

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まとめ

SaaS企業が行うマーケティングは、ユーザーにはより長くサービスを利用し続けてもらうことが重要とされます。

 

そのためには、成功事例を掲載したホワイトペーパーや記事コンテンツ、テレビCMなどの広告が効果的です。

 

特に最近はSaaSのプロダクトを訴求するマーケターは企業からの需要も高く、転職先として人気です。しかしその一方で、SaaSならではの視点を持っている必要があります。部分最適よりも全体最適を優先する、顧客がどれだけの期間サービスを利用してくれるかを重要視するという点が重要となるため、是非とも本記事を参考に自社のマーケティング戦略の参考にして頂ければ幸いです。

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