【おすすめ】業務効率化のアイデア10選!成功させるためのポイントも解説。

組織の業務効率化は現場で指揮をとる管理者や経営層が抱える最も多い課題です。
特に最近はリモートワークの導入や働き方改革の推進などで、今後ますます重要視されていくといっても過言ではありません。一方で、組織が業務効率化を実現するためには多くの時間と労力を要します。
そこで今回は、業務効率化を成功させるポイントやアイデアをご紹介します!
業務効率化とは
業務効率化とは、普段の業務プロセスに潜む「ムリ・ムダ・ムラ」を無くして、改善していくことで組織全体の生産性向上に繋げるための取り組みです。
ちなみに業務プロセスに潜む「ムリ・ムダ・ムラ」とは具体的に以下の通りです。
▼ムリ
- 従業員に係る負担が能力の限界を超えてしまっている
- 目標に対して達成する手段がない状態
▼ムダ
- 不必要な工程があり、人的リソースを有効活用できていない
- 目標を達成するために費やしている手法が多すぎる状態
▼ムラ
- 時期や部署によって負担するウエイトに差があり、業務負担が安定していない
- 目的となる目標と手段の不一致が頻発している状態
これらの「ムリ・ムダ・ムラ」をなくして業務効率化を行うためには以下の2点を意識することが重要です。
- 業務プロセスの全体と課題を「見える化」する
- 関連業務や関係部署と合わせて効率化する
上記のように、一部分を改善しようとするのでなく、全体を見た上で改善を行っていくことがポイントです。
業務効率化のメリット
それでは、業務効率化を行うことで組織や従業員にはどのようなメリットがあるのでしょうか。
ここでは3つのメリットについて解説していきます。
1.残業などの時間にかかるコストを削減できる
前述の「ムリ・ムダ・ムラ」を改善することで業務にかかる時間の削減に繋がり、残業時間などの人件費を削減することができます。
残業時間を減らすことで従業員にとっても働きやすい環境になり、身体的な負担や精神的な負担が軽減するメリットがあります。
2.従業員のモチベーションの向上に繋がります
前述のように残業時間の削減と働きやすい環境を整えることで、従業員のモチベーションの向上に繋げることができます。
また、労働環境の改善を目的とした「働き方改革」を実現するためにも、業務効率化が必要不可欠であると言えます。
3.生産性の向上により収益拡大
業務効率化を行い生産性を高めることで企業の収益拡大に繋げることができます。
また今まで人的なリソースが足りず取り組めていなかった業務に着手することができるようになるため、新たな取り組みや新規事業を立ち上げる余裕も生まれます。
業務効率化を成功させるポイント
それでは組織が業務効率化を成功させるためにはどのような進め方が良いのでしょうか。
ここでは代表的なポイントを解説していきます。
1.現状の業務フローを可視化する
まずは現状の業務フローを可視化するところから始めてみましょう。
普段の業務フローを可視化することで、不要な業務や重複しているプロセスを見つけることができます。
業務フローを可視化し、課題や問題を明確にすることで、より具体的な取り組みや行動指針を掲げることができます。
具体的には以下の取り組みを行うと良いでしょう。
- マニュアルを作成し業務の平準化を図る
- 業務の細分化・業務分担の見直しを行う
尚、可視化しないまま、改善に踏み切ってしまうと、既存のプロセスをそのまま簡略化したり、現行のシステムをそのままリプレイスするといった形になるため、既存のやり方に囚われた業務改善になりがちです。
2.改善箇所の優先順位を決める
問題点を一括して改善しようとせず、優先順位をつけていきましょう。
大幅に改善を行うにあたり、時にはドライに大規模な改革が必要になることもありますが、大掛かりな改変は現場の反感を受けやすく、新たなマニュアルやシステムの整備にかなりの労力を費やします。
そこでまずは優先順位をつけながら業務改善を行っていきましょう。
優先順位の基準としては「現状の工数」と「影響範囲(業務改善により、ほかの業務の効率化にもつながるか)」を軸に考えていきましょう。
3.改善内容を決める
業務効率化を行うにあたり改善方法は様々あります。
代表的な改善方法は以下の通りです。
【1】廃止
→やめることは難しいか?
【2】削減
→回数や頻度を減らせないか?
【3】容易化
→もっと簡単な作業にできないか?
【4】標準化
→統一化、ルール化できないか?
【5】計画化
→もっと計画的に、短い期間でできないか?
【6】分業分担
→仕事のウエイトやスキル・経験は適正なものか?
【7】同期化
→業務を平準化してまとめてできないか?
【8】機械化
→自動化・デジタル化できないか?
4.効果検証を行う
一旦、業務フローを改善したら、そのことによってどのような効果が出たかを検証しましょう。場合によっては、業務を改善したつもりが、徐々に元に戻ってしまう可能性もあります。
一度改善したら終わりではなく、業務の見える化と分析を繰り返すことが重要です。
このように改善のPDCAサイクルを回していくことで、現場にも効率的な業務習慣が根付いていきます。
業務効率化のアイデア10選!
業務効率化の方法はインターネットや動画、書籍などでも紹介されていますが、どれでもやれば良いというわけではありません。
業務効率化の目的と、何が無駄な作業なのかを明確にした上で取り組むことが重要です。
また、現状の業務内容や組織体制を考慮した上で組織にフィットしたものを選択する必要があります。
ここからは、業務効率化を実現するための、おすすめのアイデアをご紹介します。
1.ムダな業務をなくす
業務改善を考える上で、「ムダな業務をなくす」ということを視野にいれましょう。
たとえば打ち合わせで必要ではない資料を作ってしまった場合、この資料を作成するための時間もムダと言えます。
まずは自分がやるべき業務に集中した方が効率的です。
そのため資料を作成する際は
- 「本当にこの資料は使うのだろうか」
- 「今の業務は何に繋がっているのだろうか」
という部分を考えながら行動することが重要です。
2.業務の優先順位を明確にする
業務効率化を図る上で業務の優先順位を明確にすることは重要なポイントです。
優先順位を決める際、まずはスケジュール表を確認しながら、時間ごとに取り組む作業を決めるところから始めてみましょう。
その際、「何時から何時までは〇〇の作業をする」と細かく設定していくことがポイントです。
慣れてくると、1つの作業について何時までに終了すれば計画通りに進められるかを逆算できるようになります。
3.自動化する
改めて業務内容を見ていくと、毎日のように同じ作業を行っている場合があります。
そこでこのような繰り返しの作業は自動化してみるのもお勧めです。
種類は様々ですが、自動化ツールを活用することで、ボタン1つで作業が完結できるようになるため作業効率が一気に上がります。
4.業務マニュアルを作る
業務の手順やルールをマニュアル化することで、業務の効率化を図ることができます。
マニュアルは、知識だけを書くのではなく、読み手が理解しやすい文章や図解、表などを用いながら見やすさを意識して作成しましょう。
5.業務の流れを見える化する
業務の流れを見える化しフローチャートを作ることで効率化に繋げることができます。
前述の業務マニュアルは、業務の内容や進め方を説明するものですが、フローチャートは1日を通してどのような業務があるのか、またどのような流れで進めていくのかを説明するものです。
ポイントは、業務マニュアルとフローチャートを同時に作成する点です。
マニュアルとフローに一貫性があることで、読み手はフローチャートを確認しながら、業務ごとのマニュアルを読み進めることができます。
6.データベースを有効活用する
データベースとは、会社で今まで使われてきたデータを蓄積したシステムのことです。また、蓄積するだけでなく、取り出すことも可能です。たとえば、顧客情報だけでなく、商品の在庫情報なども把握することができます。
データベースは他にも、顧客からの質問や顧客の意見、アンケート結果など、細かな情報も網羅しているため、過去に起こった事例や対応などを参考に効率よく対処することができます。
7.「さみだれ対応」を取り入れてみる
業務量は人やその時々によって異なります。そこで、局地的に業務が大量に発生した場合、対応する時間を分けることで、担当者の負荷を減らすことが可能です。このような対応を「さみだれ対応」と呼びます。
たとえば、資料作成担当者が50の資料を作らなければいけないとします。それを一気に全て作ろうとするのでなく、1回に作成する資料を10にして、それを5回に分けて作ってみるのも良いでしょう。
8.業務の担当を変更してみる
どんな人にも得手不得手があります。たとえ不得手だとしても仕事と割り切って行う必要はありますが、もし可能であれば担当の変更も検討してみましょう。
短所を是正するより、長所を活かす組織の構造に変更することで業務の効率化が期待できます。
9.作業のスピードアップを目指す
業務の効率化に囚われて、実際の作業スピードを上げることを疎かにしてしまう場合があります。
単純なことですが、作業スピードが上がれば効率的に業務をこなせるようになるため生産性も高まります。
しかし、ただスピードを上がるだけでは意味がありません。仕事が早くてもミスが多ければ、修正に時間がかかり、結果的に効率が悪くなることも考えられます。そのため、業務スピードを意識しながら、ミスの少ない作業を心がけていくことが重要です。
10.様々なアイデアを組み合わせる
前述の9つのアイデアを確実に落とし込んでいくだけでも効果が期待できますが、それらを組み合わせることでさらに大きな効果を実感することができます。
たとえば、「業務マニュアルの作成」と「フローチャートの作成」を組み合わせることで、一度で業務の内容と流れを把握することができ効率が上がります。
そして、前述のアイデアを1度にすべてやろうとしないことがポイントです。アイデアにはそれぞれ相性があり、相性が悪いと効率を下げることにもなりかねないため、組み合わせには見極めが大切です。
まとめ
今回は、業務効率化を成功させるポイントやアイデアを解説しました。
業務効率化は、業務フローのムダをなくし非効率な業務の改善を図るために行います。
また、企業の成長を後押しする重要な考え方の一つと言えます。しかし、既存の体制を変更しようとする際、どうしても反発は出ます。
そのため業務効率化は経営層だけで進めるのではなく、いかに現場を巻き込みながら進めることができるかが重要です。
まずは本記事を参考に自社にフィットする改善手法を検討してみはいかがでしょうか!